こんにちは!土日祝日も診療の北戸田デンタルクリニックの米永です。

食事の際に必要な「噛む」と言う行為

もちろん基本的に皆さん何の意識もなくできていると思いますが、この行為について歯医者になるための歯学部では咬合学として勉強します。そこで今回は咬合学の基本や水平基準面について解説します。咬合や下顎の運動について理解を深め、どのような構造や動きによって成り立っているか知ることで、普段何気なく行っている噛むと言う行為についての何か新しい発見につながればうれしいです。

そもそもまず咬合学とは、顎口腔系の機能を理解し補綴学に役立てるための学問です。歯列、歯周組織、顎関節、筋、口腔粘膜、さらには神経系までを含む広い分野であり、特に下顎運動とその位置(下顎位)は、噛む・飲み込むといった基本的な機能に直結しています。

次に下顎運動は、上顎を基準とした相対的な動きです。代表的な基準点には以下の2つがあり、切歯点と顆頭点があります。それぞれについて説明すると、

①切歯点: 下顎中切歯の中央で、運動軌跡を示す重要な点

②顆頭点: 下顎頭の代表点で、顎運動の起点となる

これらの基準点を使い、三次元的に下顎の動きを分析します。例えば、開口運動では切歯点が後下方に大きく移動し、顆頭点は前下方に小さく移動します。

 

他にも噛み合わせに置いて重要なものとして水平基準面があります

水平基準面は、咬合や下顎運動の解剖学的な位置を測定するための仮想平面です。主に以下の4つがあります。

①咬合平面: 切歯点と第二大臼歯の頂点を含む平面。歯列の位置を示す指標です。

②フランクフルト平面: 眼窩下点と耳点を結ぶ平面で、直立時に水平です。

③Camper平面: 鼻翼下縁と耳珠上縁を結ぶ平面。無歯顎者の咬合平面の設定に用いられます。

④HIP平面: ハミュラーノッチと切歯乳頭を含む平面で、咬合平面とほぼ平行です。

これらの基準面を使って、補綴装置の位置や角度を正確に設定します。

咬合学を理解する事は咬合と下顎運動の理解を通じて補綴治療の成功につながります。特に基準点と水平基準面の理解は欠かせません。普段の食事をする際などにも今回のお話を少し思い出していただけたら嬉しいです。

お食事の際に噛み合わせに違和感を感じられた際などは当院にご相談ください。

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医療法人赤坂会