こんにちは。北戸田デンタルクリニックの米永です。
2025年4月に開催された「第68回日本形成外科学会総会・学術集会」に参加してきました。形成外科と聞くと、美容外科や外傷治療を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、今回の学会では私たち歯科とも深く関わる「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」に関する口腔外科の発表も多く行われていました。

口唇口蓋裂とは?

口唇口蓋裂とは、生まれつき上あごやくちびるに裂け目ができてしまう先天性の病気です。見た目や発音、食事、歯並びなどさまざまな機能に影響を与えます。

成長に伴い、骨格のゆがみや噛み合わせの問題が出てくることもあり、顎矯正手術や歯列矯正などの治療によってあごの位置やかみ合わせを整える必要があります。

歯科と形成外科の連携がもたらす治療の可能性

この学会を通じて改めて感じたのは、「形成外科」と「歯科口腔外科」が互いに連携することで、患者さんにとってより質の高い医療が提供できるということです。

たとえば、口唇口蓋裂の治療には、
・形成外科による見た目や機能の修復
・歯科口腔外科による顎の位置調整や歯の配列の治療
・矯正歯科や言語聴覚士によるサポート
など、多くの専門職が関わります。

それぞれの専門が分断されていては、患者さんが得られる結果にも限界があります。「見た目も機能もどちらも大切」という考えのもと、医科と歯科が連携してこそ、より自然で負担の少ない治療が実現するのです。

形成外科学会から得た学びを明日からの診療に

こうした医療分野を超えた知見や視点は、日々の歯科診療にも活かすことができます。患者さんの「見た目の印象」と「噛みやすさや話しやすさ」といった機能面のバランスにもっと目を向けることが、より満足度の高い治療につながるからです。

当院では、矯正治療やインプラント治療を行う際も、単なる歯並びの改善にとどまらず、お顔全体のバランスや印象、話しやすさや食べやすさといった生活の質(QOL)まで意識した治療を心がけています。

今回の学びも、チーム医療の視点や形成外科の知見を活かしながら、さらに質の高い診療へとつなげていきたいと思います。

引き続き、皆さまのお口の健康を支える身近な歯科医院として努力してまいりますので、何かお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

北戸田デンタルクリニック  048-422-9957

医療法人赤坂会