北戸田デンタルクリニック総務のナオミです。
最近は、「虫歯は親からうつる」という話をよく耳にします。「自分の虫歯が、赤ちゃんにうつるかもしれない」と考えると、正直ちょっと怖いですよね。私自身、虫歯で痛い思いをしてきたので、現在6か月の娘には同じ思いをさせたくないと思っています。

赤ちゃんに虫歯はうつるの?

虫歯の原因になる「ミュータンス菌」は、唾液を通じて大人から赤ちゃんにうつります。しかも、うつる時期は意外と早く、生後4ヶ月ごろには感染が始まっていることもあります。このことを知り、唾液が娘の口に入らないように「口移しは絶対NG」「同じ食器を使っちゃダメ」「離乳食を冷ますのに口でフーフーしない」など、色々と気をつけて育児をしていました。スキンシップも口があまり近づかないようにと我慢していました。

実は、親の唾液には良い効果もある!

そんな中で、親の唾液が赤ちゃんの健康に良い影響を与える可能性があるという研究を知りました。和歌山県立医科大学の研究(こちら)によると、親の唾液が、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の発症リスクを下げることがあるそうです。

最近は、アレルギー予防として新生児のうちから丁寧な保湿が推奨されています。アレルギー予防のために、赤ちゃんの保湿ケアを徹底しているお母さんも多いのではないでしょうか?私自身も娘の保湿を毎日しっかりしています。

アトピー性皮膚炎はこの30年で約2倍以上、アレルギー性鼻炎も20年で1.5倍以上に増加していると言われています。保湿ケアだけでなく、親の唾液が増え続けるアレルギー予防として有効だと聞くと、唾液がうつるのも悪くないかもと思いませんか?

虫歯菌がうつっても虫歯は予防できる

もちろん、親からの唾液で虫歯菌が赤ちゃんにうつるリスクを知っておくことは大切です。ですが、虫歯はセルフケアや歯科医院でのメンテナンスで予防可能な病気です。定期的な歯科検診やフッ素塗布などで、しっかり対策ができます。

それに比べ、アトピーやアレルギーは一度発症すると治療が長期化しやすく、生活への影響も大きくなることが多いですよね。

赤ちゃんとの時間を楽しんで!

「大人の唾液を与えない」ことが常識とされている今の育児ですが、もしかすると、将来的にはその常識が見直される日がくるかもしれません。大人の唾液の良い効果を知り、「赤ちゃんに虫歯菌をうつしたくないから」と必要以上に神経質になったり、過剰にスキンシップを避けたりするよりも、虫歯のリスクとアレルギーの予防をバランスよく考えることが大切だと思いました。

これまで「ほっぺにキスしすぎちゃだめかな」とちょっと遠慮していましたが、この研究を知り、「思いきり愛情を伝えてもいいんだ」と少し気持ちが軽くなりました。
バランスよく考えて、赤ちゃんとの今だけの時間をたっぷり楽しめるといいですよね。

今後も、歯科医院として赤ちゃんから大人までのお口の健康に役立つ情報を発信していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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医療法人赤坂会