こんにちは!土日祝日も診療の北戸田デンタルクリニックの米永です。

今回は歯原性嚢胞についてお話します。

そもそも嚢胞とは何でしょうか、嚢胞とは生体内に形成された病的空洞のことであり嚢胞壁は上皮におおわれています。

主に体内に見られるものですが口の中にもよく形成されます。そして嚢胞には2つの種類があり、炎症性嚢胞と発育性嚢胞があります。

中でも今回ご紹介する歯原性嚢胞は歯科にとって重要な症状です。

歯原性嚢胞は歯根嚢胞、含歯性嚢胞、歯原性角化嚢胞、石灰化歯原性嚢胞などがあり、歯根嚢胞は炎症性嚢胞になります。

歯根嚢胞は顎の骨の中でよくみられる嚢胞であり、嚢胞壁が3層構造になっているのが特徴で裏層上皮、肉芽組織層、線維組織層があります。またコレステリン裂隙という細胞などの壊死によって生成される構造物が見られます。

次に含歯性嚢胞は主に親知らずの歯にみられる嚢胞で歯根嚢胞と同じく顎骨にみられます。

これは発育性嚢胞であり、主に10〜30代の方に多く見られるもので、「親知らずが痛くてー」と言って来院された方のレントゲンを撮ってみたら含歯性嚢胞があったという事もよくあります。嚢胞壁は歯根嚢胞とは異なり薄い非角化重層扁平上皮で構成されており、同じ顎骨にできる嚢胞でも大きく構造が異なるのが特徴です。

歯原性角化嚢胞も発育性嚢胞であり、10代からご高齢の方まで幅広い世代にわたってみられるのが特徴です。

また構造の特徴としては嚢胞に角化した構造物がみられ、その様子から「おから状内容物を含む」とよく教科書などには記載されています。また嚢胞壁には小さくこれから成長してくる嚢胞である娘嚢胞が確認できる場合があります。

最後に石灰化歯原性嚢胞は発育性嚢胞であり、10代から20代の方々によく見られます。特に上下の前歯の部分によく見られる嚢胞であり、摘出することで再発をほぼ防ぐことができるものになっています。構造の特徴としては幻影細胞と呼ばれる核が脱落した細胞を持つことがあり、この幻影細胞が見られる場合は、やや荒れたような組織像になるのが特徴です。

これらの嚢胞はそれ自体に悪性はありませんが、放置していると周りの組織を壊死させたり、特に歯根嚢胞の場合は神経に影響を与える場合もあります。もしレントゲンを取った際に見つかった場合は早めに除去することをお勧めします。

北戸田デンタルクリニックではレントゲンを取り入れた画像による診断を行っております。お困りの際はご来院ください。

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